マリア・ジョアオン・ピレッシュのピアノマスターコースの
再放送があった。ショパンとシューベルトの曲。
生徒は数名。彼女の熱い思いが伝わる内容…

彼女が生徒に繰り返し語る。
構造が大切なのではない。
響きを聴くこと、ファンタジーを聴くことが大事だと…
止まることを知ること、呼吸をすること。
力を抜くこと、流れること、歌うこと。
そして自分を知ることが大事だと…

最後に、今考えていることを聞かせるように彼らに言った。
生徒から音楽に関する質問があった。しかし、彼ら自身の
思いを正直に打ち明けることはなかった。
しようがないか…と彼女が思ったかは分からない。
それでも彼女は真摯に質問に答えた。

リスボンの郊外で農園を営み、そこで社会的に
困難を抱える人々を受け入れながら、
世界的なピアニストとして活躍する彼女のはっきりとした
言いようの中に、幾多の肉体的、精神的な困難を
経験してきた人が持つ独特の柔らかい人を包みこむような
力を感じた。

有意義な1時間30分。
彼女の演奏を最後に聴いてから久しい。
彼女が再来日したら、あの演奏をまた聴きに行こう!

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